WP TAVERNで “From Building WordPress Sites to Selling Plugins in One Year” という記事が公開された。これは夫婦2人で経営している Barn2 Media という会社が、WordPressのサイト制作請負業からプラグイン販売へとビジネスモデルを変更するまでのストーリーだ。なかなか興味深い内容なので、ざっと要約する。
- 7年カスタムフィールド製造業に従事したが辛かった。
- 秘訣1: 結果にコミット。片手間でやってもダメ。
- 秘訣2: ニッチを狙い、マーケットプライスの安価な価格で勝負しないこと。ThemeForest経由だと1つあたり$12.50〜だが、自分で売った場合は$75に設定した。
- 秘訣3: クライアントワークからアイデアを得よう。クライアントがカスタムフィールド製造業者に依頼したということは、問題を解決するプラグインが存在しないということで、これはニッチである。
- 秘訣4: ちゃんとしたプロフェッショナルとして認めてもらえるデザインにしよう。
- 秘訣5: カスタマーサポートで疲弊しないようにしよう。
- 秘訣6: 付き合いのある製造業時代のクライアントを主にと考えず、経済的なセーフティネットと考えよう。特にビジネスモデルチェンジをしている最中は特に。
英語を読める方は原文を当たってみてはいかがだろうか。
この成功体験は日本でも通じるのか?
さて、プラグイン販売の収益を伸ばしていこうと考えている筆者にとっては示唆的な内容であった。とくに「片手間でやらない」というアドバイスにはなかなかクルものがある。
しかし、価格帯については日本にThemeForestのようなマーケットプレースとして目立つものが存在しないので、なんとも言えない。テーマ販売に関しては1万円〜2万円の間で落ち着いているのではないだろうか。
日本というのはなにかにつけてガラパゴス化しやすい市場なので、需要をつかめれば、ワンチャンあるといってよいだろう。海外で人気のあるプラグインを「輸入」するタイムマシーン型のモデルでも案外いけるかもしれない。
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ただ、この記事を寄稿した Katie Keith の会社は夫婦2人の零細企業なので、その点は留意されたし。従業員20人で顧客が100社という場合は同じようにはいかない。
高品質化と高価格というトレンド
最近のWordPress業界のトレンドとして、高品質化と高価格があげられる。このサイトでも何度か紹介した Pippin’s Plugins もEDDなどの人気プラグインを値上げしており、サブスクリプション型のプラグインも増えている。
これは翻って考えると、マーケットが成熟するとともに、プラグインの淘汰が始まっている証拠だともいえるだろう。生き残っているプラグイン・テーマの製造元はガチでビジネスをやっているというわけだ。
WordPressのようなオープンソースの面白さとして、どこの馬の骨が作ったのかわからないようなものが意外と便利だったりするという「ハック体験」があるのだが、こうしたものは年少期の美しい記憶のようなもので、成熟したマーケットでは成立しづらいのかもしれない(※ 山形浩生「Hackとはなにか」参照)
もしCapital Pで取り上げて欲しいというサクセスストーリーをお持ちの方がいれば、ぜひ以下のフォームからお問い合わせいただけると幸いである。インタビューなどさせていただくかもしれない。