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Jimdoの使用感をWordPressと比較する

前回のWixに引き続き、今回は同じくホームページ作成サービスであるJimdoを紹介する。WordPressが今後の方向性としている「誰でも簡単にホームページが作れる」という需要にフォーカスしたサービスの紹介だ。WordPressとの比較という点ではある意味で「かぶっている」点も多いため、できる限りWixとの相違点を重視したい。前回の記事を読んでいない方は、ぜひ一読してからこの記事を読むことをお勧めする。

なお、筆者はJimdoを使って実際に利用するサイトを作ったことがないので、間違いなどがあるかもしれないが、その際はコメントなどでご指摘いただきたい。

Jimdoとは?

さて、Jimdoとは、ドイツ発のホームページ作成サービスである。その歴史は2004年と古く、WordPressの歴史とそれほど変わらない。Jimdoの特徴としては、2009年からKDDIウェブコミュニケーションズと協業パートナーになっており、日本への進出がかなり早かったことを特筆すべきだろう。あらゆるWebサービスにおいていえることだが、マーケットシェアは世界で均質なわけではない。アメリカではNetflixの後塵を拝していたHuluが早期に日本展開をしたことを覚えている人も多いだろう。

Jimdoのビジネスモデル(課金ポイント)

JimdoもWixと同じく、無料で始めることができる。独自ドメイン、eコマース、アクセス解析などの機能が差別化のポイントとなっており、これもまたWixと同様である。金額感もほぼ同じで、月額1,000円か2,000円のコースがあるといったところだ。

月額1,000円〜2,000円程度

ただ一点、これはKDDIウェブコミュニケーションズと協業している、つまり、営業に日本企業が関わっていることと無縁ではないと思うのだが、Wixと比べて実に日本的だと思えるサービスがある。それがJimdoリメイクというサービスだ。

「ホームページ制作会社」っぽいランディングページ

これぞまさに「ホームページ制作会社のランディングページ」といった感じで、金額も50,000円程度と実情に即したものになっている。中小企業や士業、カフェや美容院などといった「ホームページを必要としている顧客」がオリジナルのWebサイトを持つならこれぐらいだろうな、といった印象だ。デザイン的にもWixのようなバタ臭さがなく、いい意味でも悪い意味でも日本的だ。

Jimdoの使い方を熟知したプロフェッショナルを紹介してもらえる

また、Jimdo Proなどの有料プランの優位点として挙げられている「日本語書体」というのも、こうしたローカライズを行なっているからこそ挙げられる訴求点だ。多くの海外製テンプレートは——あとであげる動画を見てもらえばわかるのだが——日本語フォントの問題を解消していないので、結局のところ「全部ブラウザデフォルトのゴシック体」になってしまう。こうした問題点が存在することを知っているからこそ、「日本語書体」を掲げることができるというわけだ。

ちなみにこれは筆者の私見なのだが、「ホームページを持ちたい」と考える層のユーザーに「日本語書体」を訴えることはあまり意味がないような気がする。というのは、「海外のテンプレートはフォントに問題があり、日本語書体を導入することで解決する」という考え自体がプロフェッショナルな視点だからだ。「書体を変えるとデザインがよくなる」というのをカフェや花屋のオーナー、税理士は知っているのだろうか? 「HG創英角ポップ体のメニューがダサい」という紋切り型のジョークをデザインを専門としない筆者は笑うことができない。

Googleで「創英角ポップ体」と検索したときのサジェスト

閑話休題。まとめると、Wixに比較して、より日本に特化したサービスがJimdoだと言えるかもしれない。

Jimdoのルック&フィール

筆者が実際にJimdoを操作してサイトを作成して見た様子を三倍速で動画にしたので、ご覧いただきたい(途中で動画を挿入した際、音が出るので注意されたし)。

Wixとの相違点はそれほどない。どちらも同じくWysiwygでホームページを作成していく。ブログは少し書きづらい。

ただ、Wixと異なり、アプリ(WordPressでいうプラグイン)形式は採用していないようだ。できることはあくまでプランごとに分かれている。

Wixよりすぐれている点として、日本語入力のときに固まらないことが挙げられる。これは日本進出が早かったという一日の長だろうか。

Wixとの比較

おそらくだが、グローバルシェアにおいてはWix(5,000万ユーザー)よりもJimdo(1,000万サイト)の方が数が少ない。しかし、日本で使う場合はJimdoの方が便利なのではないだろうか。

WixもJimdoもオリジナルテンプレートを作成する場合はそれなりに労力がかかる。この点、コンサルタントの斡旋を行なっているJimdo(Jimdoリメイク)の方が利便性は高そうだ。

WordPressとの比較

さて、WordPressとの比較という点において、Jimdoを見てみよう。まず、価格に関してだが、月額1,000円〜2,000円という価格帯に関してだが、これは十分に安い価格だ。レンタルサーバーを借りてWordPressを始める場合、500円〜1,000円は最低でもかかるし、現状の日本のホスティング環境ではSSLを安価に導入できる選択肢は少ない。

ただし、WordPressにおけるプラグインやWixにおけるアプリのような機能拡張システムがないことによる利便性の低さは注意すべきだ。Jimdoを利用する場合は、こうした不自由を解消しないコストをメリットだと考えるようなマインドセットも必要だろう。

Jimdoにはプロに依頼する機能はあるが、WordPressでも同様のことは行われているので、こちらについてはなんとも言い難い。50,000円という価格は筆者なら引き受けないが、ランサーズなどのクラウドアウトソーシングサービスなら「WordPressでサイト制作 50,000円」は普通だろう。

以上、ざっとではあるが、Jimdoの紹介を終わりとする。要約すると、「Wixとだいたい同じで、日本により特化している」といったところだろうか。実際に使用されている方がいれば、ぜひ感想などをお寄せいただきたい。

さて、次回もう1つサービスを紹介し、その後総括に入りたいと思う。アメリカではSquarespaceというサービスがあり、そのオシャレなテンプレートによってかなり伸びているサービスなのだが、いかんせん日本語ローカライズがまったくされていないので割愛。レビューしてほしいサービスがある方は、タレコミなどお待ちしている。

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