言いたいことは表題に尽きるのですが、その背景や将来、盛り上がっているコメントについてまとめてみます。
この記事は、XML Sitemaps Feature Project Proposalをもとにしています。
明らかなニーズ
提案のポストによれば、WordPressのプラグインのTOP15のうち4つ(上から順番に、Yoast SEO, Jetpack, All in One SEO Pack, Google XML Sitemaps)が、XMLのサイトマップの生成に関連する機能を提供しており、その需要は明らかです。このようなニーズがあるのにもかかわらず、現在のWordPressはデフォルトで対応をしていない状況を受けて、今回のプロポーザルが始まりました。
GoogleとYoastが主導しているようだ
今回のプロポーザルの特徴は、Google、Yoastというビッグネームが提案者にいることです。
Googleは最近、WordPressの開発コミュニティ、あるいはコミュニティ一般との関わりをどんどん深めています。
- WordPressのコアコントリビューターを社員として雇い入れる
- AMP プラグインを大幅にアップデートして、AMPのプロジェクトに追随
- WordCamp EU、WordCamp USなどをトップのランクでスポンサー
WordPressは世界のウェブサイトトップ1千万のうち、1/3で利用されています。Googleとしては、WordPressで動いているウェブサイトに影響を与えることで、インターネット上のウェブサイトについて把握が勧めやすくなるのでしょう。
Googleは、すべてのウェブサイトをクローリングするので、そうであれば、WordPressコアが、Google側のXMLサイトマップの仕様に常に追随した形でデフォルトで生成してくれれば、便利なのでしょう。
Yoast
SEOのプラグインとしてトップを走るYoast もWordPressのコア開発者を複数名雇い入れて、コアの開発、WordPress.orgの諸々の環境の整備にフルタイムで従事させるという形で、会社として、WordPressにものすごく貢献しています。
Yoastの社是は、”SEO for Everyone“。彼らとしても、主要な部分はコアで対応されており、そのカスタマイズをYoastで実施するということになんの異論もないようです。
提案されているWordPress本体によるXMLサイトマップの具体的な機能
プロポーザルですが、以下のサイトマップをデフォルトで用意。
- 固定ページ
- 投稿
- カスタム投稿タイプ
- タグ
- カテゴリー
- カスタムタクソノミー
- ユーザー
そして、サイトマップの種類の増減や各サイトマップの中身のXMLは、WordPress XML Sitemaps APIを用意して拡張可能にする。
この提案に含まれていないものとしては、
- 画像サイトマップ
- 動画サイトマップ
- ニュースサイトマップ
- 投稿やページなどをサイトマップから除外するためのUI
- XMLサイトマップのキャッシング機能
が挙げられており、これらの機能についてはプラグインから拡張していくことが想定。
国際化(i18n)
WordPressは、将来的に多言語ウェブサイトをサポートする計画があり、それをフルに活用して多言語対応をしていく予定。
今後の展望
コメント欄での意見収集の後、Slackで会議が設定されて進められるようです。
話題がSEOに関連するということもあって、コメント欄がかなり盛り上がっております。たとえば、カスタム投稿タイプはデータを保存するために使われることもあるのだから、そういう場合はどうするんだ?など。とはいえ、ざっと見たところでは、通常考えつくところに対しては、概ね対応が考えられる内容ばかりであり、また、Google、Yoastといったリソースもアクセスもある面々が関わっているということもあり、意外に早く実装される予感がします。
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