WordCamp EU、スモールビジネス専用のスポンサー枠を開設【後半、WC実行委員の方々向けの情報あり】

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WordCamp USと並ぶ、WordCampの中のWordCampとも言うべきリージョナルWordCampである WordCamp EUでまた新しい試みが始まるようです。スモールビジネス専用のスポンサー枠を€2,500(およそ30万円)で新たに追加したとのことです。

WP Tavern の記事によれば、大企業のためのイベントになりすぎることを防ぐことを目的としているようです。

この枠への応募の条件として、以下が挙げられています。

  • 収入源の大部分がWordPressに関連していること
  • 2016年の収入が€1,000,000(およそ1億2千万円)を超えていないこと

また、その30万円で得られるスポンサー特典としては以下のように記述されています。

  • ブースの設置が行われる。
  • 丸いハイテーブル(circular high-tableとあるので多分バーやクラブにあるような小さなもの)にバナーがひとつ、1日設置
  • 設置、バナーの印刷はすべてWordCamp EUのスポンサーチームが行う
  • そのテーブルにおさまるグッズとラップトップを持ち込み可能
  • ひとつのブログ記事に全スタートアップスポンサーがまとめて記載される
  • 入場券1枚

詳細は以下で確認できます。

WordCamp EUのスポンサーシップ

このスモールビジネス枠以外はどのようになっているのでしょうか?

最大のスポンサーシップの金額が、€75,000(約910万円)でその次が€38,000(約460万円)で、この2つの枠では、200人収容の部屋でトークやワークショップの開催できます。他の枠は、約220万円、約120万円と続きます。今回のスモールビジネス枠は30万円ということで、他の金額と比べるとたしかに安いといえるかもしれません。

イベント規模はというと、オーストリアのウィーンで開催された前回は1952人、フランス・パリの今回は3000人の参加を見込む2日間のイベントです(各日3000人)。また、ヨーロッパ全土から国際的なオーディエンスにアピールすることができる場でもあります。

スポンサーによるセッションやワークショップ?

ここからは、WordCampのスポンサーシップについて興味のある方向けのお話になります。

WordCampの実行委員の経験がある方の中には、あれ?と思った方もいるかもしれません。つまり、WordCampのスポンサーをしているからといって、セッションの枠がもらえるとは限らないんじゃないの?と。スポンサーを募り、企業にお願いと提案をする際に、セッションをしてもらうことはできないはずでは?と。

たしかに、Make WordPress.org のコミュニティーチームのハンドブックにも以下の記載があります。

WordCamp sponsorship is not an exchange of money for marketing/advertising at the event/with the attendee audience. Sponsorships are donations, given to support the WordPress project and official events.
出典: ハンドブック

簡単に翻訳すると「WordCampのスポンサーシップは、イベントで、参加者に対してマーケティングをしたり宣伝活動をすることと、お金を交換することではありません。WordPressというプロジェクトとその公式イベントをサポートする寄付なのです」となります。

ここが他のイベントとはだいぶ違うところであり、実行委員が企業の方にスポンサーシップをお願いするにあたり、理解を得るのが難しい点です。また、WordPressプロジェクトに理解のあるスポンサー企業の担当者の方が、会社の中でどのように理解を得てくれているのかというのも僕個人は興味があります(この点についてはROIを公開しているThe Value of Sponsoring a WordCamp from a Business’ Perspective という WordPress Tavern の記事が参考になります)。

さて、そうした環境下、WCEUでスポンサートラックが設けられるというこの件については、推測も入った話になってしまいますが、背景があります。

2016年からWordCampの法的な実施主体が、WordPress Foundationではなく、WordPress Foundationの下部組織であるWordPress Community Support Public Benefit Corporationという別の主体に変更されました。先ほども引用したThe Value of Sponsoring a WordCamp from a Business’ Perspectiveに書かれた解説よれば、Public Benefit Corporationというのはprofit corporationです(上部組織のFoundationはnon profit)。

この変更にはさまざまな理由があるのだと思いますが、その大きな効果のひとつには、WordCampをスポンサーしている企業に実利的な見返りを提供することができるようになることがありました。つまり、今までの「スポンサーのためのセッション枠を(スポンサーであるという理由では)提供しない」というのは、理念のみに基づくものではなく、責任主体のWordPress Foundationが非営利の団体(WordPressプロジェクトの使命を実現するためのcharitable organization)であり、米国の法律のもとではスポンサーに利益を還元することでお金を出してもらうことができなかったというのも、理由のひとつだったということです。

この変更がアナウンスされた投稿では、以下のように書かれています。

(スポンサーに)価値を提供することの障害が、スポンサーシップのルールから取り払われました。つまり、ダイレクトリンク、ディスカウント、コールトゥアクションなどが可能になります。

(この部分を読んで、え?ディスカウントの提供もNGだったの?と思った方も多いと思います。2016年のルールはここに書いてあります

この変更があったからといって、日本国内のWordCampのスポンサーシップに何か変更が行われるのかどうかは僕には分かりませんが、そんなことも考えてみるといいかもしれません。WordCampってなんのためのなんだっけ?特にスポンサーにとって、どうありたいのか、コミュニティーで考えてみたいなとも思いました。CapitalPに反応がほしいぜ!と意気込んでいる私とコメント欄で話し合ってみましょう!

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この記事を書いた人

西川伸一

男木島という瀬戸内海の小島に暮らしています。その前は、バンコクで2年半暮らしていて、その前は東京でした。最近はポッドキャストをするのが趣味です。WordCamp Ogijima 2018, WordCamp Tokyo 2012の実行委員長や、Bangkok WordPress Meetupの立ち上げなど頑張りました。仕事は、Human Madeの日本事業統括。WordPressをコアに、エンタープライズやパブリッシャーのためのもろもろの機能(WordPressプラグインや開発環境、AWSサービス群)を束ねたDXP、Altisの普及を促進しています。

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