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オープンソース開発者のお金の悩みガイドブックが公開中

オープンソース開発者にはお金の悩みがつきまとう。WordPressのコマンドラインツールであるWP-CLIの作者Daniel Bachhuberも同様らしく、2016年12月12日にパトロンモデルでの寄付募集を始めた。

オープンソースソフトウェアはたとえそれが無料で使うことができるといっても、なんらかのコストがかかっている。WP-CLIは広く利用されているツールだが、コミッターたちの労力はそれなりにかかっているのだ。

個人的な感想だが、こうしたCLIツールはマネタイズが難しい。言われてみると、筆者はPHPUnitやPHP Code Snifferなどのツールに対して1円も払ったことがない。また、筆者自身がComposer経由で公開しているPHPライブラリは、ほとんど使われていないのだが、そのライブラリを利用したWordPressプラグイン(別の人が作った)についてお礼を言っているブログを何度か見たことがある。

それ自体は構わないのだが、できることなら、オープンソースソフトウェアのプロジェクトそれ自体がうまくお金の回る仕組みを持ち、作者の一時的な情熱だけに依存しないのが望ましいだろう。

そんな中、パトロンモデルについてtwitter上で議論を続ける中、Danielが興味深いGithubリポジトリをシェアした。

https://github.com/nayafia/lemonade-stand

これはオープンソースが金銭的な支援を得るためにどうしたらよいかというリストである。ざっと説明すると、次のようなものがある。

  1. 寄付ボタン
  2. 助成金
  3. クラウドファンディング (売り切り)
  4. クラウドファンディング (定期課金)
  5. 書籍とグッズ
  6. 広告とスポンサー
  7. プロジェクトの仕事をするために企業に雇われる
  8. 現在雇われている企業でプロジェクトを開始する
  9. 助成金
  10. コンサルティングとサービス
  11. SaaS
  12. フリーミアムライセンス
  13. デュアルライセンス
  14. オープンコア
  15. 基金とコンソーシアム
  16. ベンチャーキャピタル

筆者が日本語に翻訳しておいたので、興味のある人は読んでみてほしい。

https://github.com/fumikito/lemonade-stand

ちなみに、タイトルについてだが、アメリカでは子供に商売の基本を学ばせるために、レモネードを自分で作って売ってみるという課外学習のようなものがあると聞いたことがあるので、それからきているのではないだろうか。

オープンソースソフトウェアの作者といえ、霞を食べていきるわけにもいかず、資金繰りについて学ばなければならないというわけだ。

さて、Danielはtwitterで自身がどれだけWP-CLIにコミットしているかについて報告している。

https://twitter.com/danielbachhuber/status/809056634337042432

今年は308時間をWP-CLIにつぎ込んだ(140時間は有償、168時間はボランティア)。来年は倍になるか、ゼロになるかもしれない。

このままだと、WP-CLIはなくなってしまうのだろうか? このパトロンモデルでうまくいくのか、今後を注視していきたい。

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