Gutenbergでは「再利用ブロック」という概念が導入された。これは特定のブロックを再利用できるブロックとして登録できるものである。
再利用ブロックの作り方
作り方はいたって簡単。まずはブロックを作成しよう。今回はサンプルとして、「メディアと文章」ブロックを作成する。これは画像とタイトルなどから構成されるある程度複雑なブロックだ。作成したら、ブロックのメニューから「再利用ブロックに追加」を選択すると再利用ブロックになる。
この再利用ブロックは、エディターの右上にあるメニューから「すべての再利用ブロックを管理」を選ぶことで再編集することができる。
この再利用ブロックはおそらくカスタム投稿タイプとして登録されることになるようだ。
次回以降はこの再利用ブロックはブロック一覧から呼び出すことができる。
さて、以上で再利用ブロックの作り方については終わりだ。続いて、その使い道を考えよう。
再利用ブロックの使い方
再利用ブロック=作るのが面倒なブロック
まず考えられるのが、「作るのが面倒なブロック」として登録していくことだ。「面倒」の定義も色々あるのだが、たとえばコンタクトフォームのようなものを考えてみよう。
筆者やCapital Pの読者のような方々にとって、「コンタクトフォームを作成してショートコードを貼り付ける」という作業はそれほど大変だとは思えないだろうが、文章を書くことをメインにしているライターなどにとっては触るのが怖い作業のはずだ。
そういうブロックをあらかじめ作成し、再利用ブロックとして登録しておけば、心理的安全性が高い状態を保つことができる。
再利用ブロック=投稿内ウィジェット枠
さて、面倒な作業をなくすという価値だけではなく、再利用ブロックには「再編集できる」という利点がある。これを活用すれば、投稿内ウィジェットのような役割を期待できる。
最近、デジタルマーケティング業界では、顧客のアクションをセッション以外で測りたいというニーズが強いので、アクションを取るための手法が普及している。たとえばデジタルマーケティングツールのhubspotブログでは、ブログ投稿内の終わりにファイルの無料ダウンロード導線が存在する。
こうした機能に再利用ブロックはうってつけである。たとえば、筆者が運営する高橋文樹.comでは、閲覧者に取ってもらいたいアクションがいくつか存在する。
- 書籍を購入してもらう
- ファンになってもらう
- 書籍の執筆、講演登壇などを依頼してもらう
- WordPress案件などを依頼してもらう
このアクションを達成するための導線として考えられる施策は次の通りだ。
- Amazonのストアに移動する
- SNSでフォローしてもらう
- メールマガジンに登録してもらう
- 具体的な依頼内容をお問い合わせしてもらう
- 筆者の実力がわかる作品サンプルなどをダウンロードしてもらう
適当にやるならば「とりあえずお問い合わせください」で済むのだが、デジタルマーケティング業界では上記のように沢山の施策を用意して効果測定をしなければならない。
さて、筆者のブログではコンテンツの種別が多岐にわたり、文学や執筆に関すること、Web制作に関すること、その他雑記といった具合だ。筆者のこれまでの経験から、Web制作に関して興味を持った人が書籍のファンに転換する確率はあまり高くないし、また、文学ネタで興味を持った人に「WordPressの受託仕事なんかないですか?」と尋ねるのもカテゴリーエラーだ。
したがって、コンテンツに応じたきめ細やかな導線の配置をする必要があるのだが、そこで活躍するのが再利用ブロックである。筆者の場合、次のような再利用ブロックを用意しておくのが良さそうだ。
- ファン向けの導線
- 出版社などの「文学」顧客向けの導線
- WordPress受託などの「Web制作」顧客向けの導線
これらを再利用ブロックとして登録しておき、状況に応じて中身を変えれば、最適化することができるだろう。ある記事では書籍販売ページの導線を出し、また別の記事では受託のお問い合わせフォームを出す。賞味期限が切れたタイミングでそれをSNSフォローに切り替えたり、WordPressのTipsが書かれたPDFへのダウンロード導線にする。
きちんとブロックをメンテナンスすれば、質の高い広告枠のように機能することだろう。もちろん、Google Analyticsなどを利用した計測をお忘れなく。
さて、以上で再利用ブロックの使い方および導線としての利用方法を紹介した。実のところ、筆者もこの「再利用ブロック」を積極的に使っているわけではないので、よいアイデアがあったらぜひコメントをお寄せいただきたい。