8月にリリースを控え、多くの変更が入る予定のWordPress 5.5だが、Zipファイルのアップロードによるプラグイン・テーマの更新が可能になりそうだ。チケットの作成から11年が立ち、ようやく実現された機能である。
実はこのチケット、3年ほど前に実現されかけたことがあったのだが、Gutenbergプロジェクトにコミュニティの興味がむいてしまい、忘れ去られていた。この失われた機能を復活させた @marionvalney には拍手を送りたい。
意外と知らないZipインストール
WordPressはこれまでもZipファイルによるプラグイン・テーマのアップロードが可能だった。
しかしながら、新規インストールはできてもアップデートをすることができなかったため、いわゆるオレオレプラグイン&テーマはSFTPなどを使わなければ更新ができなかった。今回のアップデートにより、SFTPは不要になる。新規ユーザーにとって必要な知識がまた一つ減ったわけだ。
Zipアップロードは受託案件などでは活躍する機能だともいえる。とりわけ、ホスティングや保守を受けていない制作会社にとっては、「Zipファイルをクライアントに送る」までを仕事として割り切ることもできる。また、公式ディレクトリ以外の場所でテーマ・プラグインを配布している人にとっても同じく朗報だろう。
チケットのリブート
興味深いのは、11年前に起票され、3年前にしりすぼみになったチケットがなぜいまになって復活したのか、ということだ。これはワークフローの改善による。
少し前のワークフローだと、
- 起票する
- パッチを送る
- 試す
という流れだったのが、最近のWordPressコア開発では
- 起票する
- 機能概要をスクリーンショット付きで示す
- 採用可否の方向性が決まる
- パッチが送られる
という流れになっている。どのコアチケットにもUXチームが顔を出すことが増えているようだ。
これまでは「頑張って作ったパッチが放置される」ということが多かったので、実際にスクリーンショットを撮って(Figmaなどのデザインツールでもよい)、目に見える形でプレゼンテーションするとチケットが進みやすくなるだろう。コア・コントリビューションに興味のある人は参考にして欲しい。