先日10月28・29日の2日間に渡って開催されたWordCamp Singapore 2017に参加したので、そのリポートをお届けする。
アジアのハブとしてのシンガポール
さて、シンガポールは小さな国ではあるが、アジアのハブ(中継地)として強い存在感を放っている。スタートアップ企業がシンガポールを拠点にビジネスを始めたという話を聞いたことがある人も多いだろう。
そうしたお国柄を反映してか、参加者も海外の人が多かったようだ。オーガナイザーに聞いた話では、250人程度いた参加者の半数が海外から来たとのこと。
シンガポールの公用語が英語であるため、セッションも英語で行われた。スピーカーも海外からのゲストが多く、他のアジア地域(フィリピン、マレーシアなど)のWordCampオーガナイザーも参加していた。
印象に残ったセッション
まず、日本から参加した岡本秀高 “Serverless WordPress & next Interface of WordPress” と森山真祐子 “Localize your WordPress projects” は同じ日本人として感心することしきりだった。岡本のセッションでは、Amazon Alexaを利用してWordPressと連携するアイデアなどが紹介されていたが、たまたま司会進行をしていた人がAmazonのサービスに精通しており、ほぼすべての質問に代わりに答えるという珍しい光景が見られた。筆者などは、てっきりAWSの中の人がWordCampのボランティアをやっていると思ったほどだ。
Amazing collaboration of @motchi0214 and the great mic runner for QA! Hide said he knows about Alexa deeply and amazing ! ? #WordCampSG pic.twitter.com/krrAXUYlpn
— Mayo #HafH でワーケーション・プチ移住しませんか✈️ (@mayukojpn) October 28, 2017
その他、筆者が勉強会を開催しているionic + WordPressの実装をすでに行なっている Sam Suresh による “Building your first Mobile App with WordPress Backend” や WooCommerceとShopifyの比較を行ったHazrul Azhar Bin Jamariによる “How WooCommerce is being disrupted by Shopify and why it will rapidly lose market share” が印象に残った。
ネットワーキング
こうしたイベントで交流を行なって人脈を広げることを「ネットワーキング」と呼ぶ。
Networking at full speed @WordCampSG #WordCampSG pic.twitter.com/AKQeQwDQkF
— Ashwin (@thotsunlimited) October 28, 2017
筆者が話している青いシャツの男性は、ドイツで自動車のメカニカルエンジニアをやっていたが、シンガポールの金融業に転職、その過程でWordPressを使う必要性が出てきたためにWordCampに参加したとのことだった。なかなか異色の経歴である。
また、WP PageNaviやWP Pollsなど、WordPressの黎明期に多くの有名プラグインを排出した Lester Chan と会うことができたのもよい思い出だ。
コントリビューターデイ
コントリビューターデイをシンガポールでやるのは初めてだそうで、ワークショップが中心となっていた。参加人数も30〜40人といったところだが、そもそもコントリビューターデイのあるWordCampが少数派なので、今後の継続していけば、参加者も出てくるだろう。
ちなみに、WordCamp Europeでもワークショップは人気だった。1時間ぐらいのワークショップを受けてからコントリビュートするというのはよいフォーマットなのかもしれない。
同じくWordCamp Singapore 2017に参加していた清野 奨から、当日の様子を収めたイメージビデオが届けられた。GoPro Karmaで撮られた壮大な映像とともに、シンガポールの雰囲気をつかんでいただけたら幸いである。
https://www.youtube.com/watch?v=Dk2NZzn5Wao&feature=youtu.be
その他
その他、筆者が個人的に感じた雑感は以下のとおり。
- WordCampは地域性を出すべしとなっているが、シンガポールのような国の場合は「国際性」がその地域性なのだと強く感じた。
- Wapuunoというわぷーで作ったUNOが存在し、それがAndroidゲームになっていることを知った。
- 物価は思っていたほど高くはなく、日本の9割程度。公共交通機関も安く、住みやすい街だ。オススメの食事はチキンライスと肉骨茶。というより、それしか食べなかった。
- たまたま訪れた場所がそうだったのかもしれないが、商業施設のラインナップが日本とほぼ同じだったので、海外に来ているような感じが少なかった。
- 筆者は20年ぶりに訪れたのだが、当時よりも高層建築物が増えており、時の流れを感じた。
- 個人的なハイライトはマリーナベイサンズ(船の形をしたホテル)でサニーゴを捕まえたこと。日本だと沖縄のような限られた地域でしか入手できない。
- 深夜、アフターパーティーの後に泥酔状態で収録した音源があるので、中身に問題がなければポッドキャストとして公開予定である。