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State of the WordでWordPress共同創業者が2024年以降の展望を発表

2023年12月11日、スペインのマドリードでWordPress共同創業者マット・マレンウェグがState of the Word 2023を行った。毎年恒例のこのイベントは、マットによる「一般教書演説」的な内容になっており、WordPressの長期的な展望や達成事項などがまとめられる。本年はWordPress20周年の話題や、Gutenbergプロジェクトの今後などについても語られた。

要点をざっとまとめると、次のとおり。

動画はYouTubeにもアップされており、誰でも閲覧することができる。m-g-nの大串氏より提供いただいた機械翻訳もアップロードしておくので、英語が得意でない方は参考にしてほしい。すでに公式サイトでの翻訳記事なども出ている。

筆者の所感としては、大きく分けて3つある。

まずGutenbergのプロジェクト終了が公式見解であるということ。2017年頃に発表されたプロジェクトがついに完成に近づいている。細かな調整はあるだろうが、WixやSquare Spaceを仮想敵とした「カフェの店長でもウェブサイトが作れる」という目標は、一応の完成を見たということだ。もちろん、細かな改善点は多いし、今後も修正は続けられていくのだろうが、大目標としての役割は終えつつある。

そして2点目、Gutenbegプロジェクトに匹敵する規模での大規模プロジェクトはまだ立ち上がっていないという点。データの自由化といっても、サイトのインポート・エクスポートを充実させていくことは、日常的な機能ではなく、移行の時にしか使わない。そもそも2019年にGoogleが同名プロジェクトを立ち上げたこともあり、Gutenbergプロジェクトと比べるとやや地味な印象である。裏を返すと、7年をかけて完成しようとしているGutenbergプロジェクトに匹敵する大目標はまだ見つかっていないということだろう。

そして3点目、マットさんは明らかにAIに興味を持っている。プレゼンテーションではJosephaが日本語で話すシーンも見られたが、AIによるディープフェイク翻訳という、見る人によってはちょっと「怖い」機能も肯定的に紹介していた。生成AIによるサイト構築などにも肯定的なようである。ただ、これらAI関連のニュースは世間を騒がせているニュースと変わり映えがせず、WordPressらしさに欠ける。「これぞWordPress×AI!」というアイデアはまだないのだろう。もしそうしたものを考えられたら、大変なビジネスチャンスになるということだ。

Wired編集長クリス・アンダーソンが“Web is dead”といってから13年、「そもそもWebサイトいるか?」という感覚が一般的になってきた。『中世の秋』よろしく、WordPressをはじめとするオープンWebはこれから冬の時代を迎え、あらたなルネサンスを迎えることはできるのだろうか?

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