知っている方も多いと思うが、Disqusというコメント埋め込みサービスが存在する。WordPressプラグインが存在するので、利用者も多いはずだ。特にキャッシュを利用しているサイトでは、負荷を下げるために利用されていることも多い。
そのDisqusだが、WP Tavernによれば、広告の埋め込みを開始したようだ。上位5%サイトのコメントフォームに広告を埋め込み、もしそれを望まない場合は有料プランに移行すべし、とのこと。
このやり方は事前の告知なく行われたため、かなりの反発を買っている。たしかにサービス提供者の側に立てばなんらかの方法でマネタイズしなければならないのは理解できるが、特に事前の説明なくいきなりはじめれば反発を買うだろう。
現在のところ、この反発をうけてDisqusがどうするのかはわからないが、台所事情が透けて来るようなニュースだ。
Disqusの代替サービス
さて、ではDisqusの代替としてどんなものがあるだろうか。
Jetpackコメント
まず、ほとんど同じような機能を持つサービスとして、このサイトでも利用している定番のJetpackコメントが挙げられる。
ただし、このコメント機能は完全に外部化されたものではないので、サーバ負荷の軽減という点ではWP SuperCacheなどの定番プラグイン以外でキャッシュを使っている場合、若干めんどうなことになるだろう。
Spot.IM
続いて、後発のSpot.IMを挙げる。筆者は現在自分のブログで利用中なのだが、DisqusからSpot.IMに移行した最大の理由は「ブロードキャスト」という機能。現在サイトを閲覧中のすべてのユーザーに特定の通知を出すことができる。
欠点としては、UIが完全に英語なこと。元はチャットツールだったが、完全にコメントシステムになったようだ。
Facebookコメント
Facebookもコメント機能を提供している。Facebookアカウントがないとコメントできないため、敷居が若干上がる。WordPressプラグインも存在するが、コードをちょろっと書くだけなので、それほど難しくはないだろう。
欠点は利点の裏返しで、Facebookアカウントが必須なこと。
コメントは必要か?
このサイトCapital Pでは活発な議論を期待してコメントフォームをつけているが、コメントの価値は世界的に低下している。実際にいくつかの著名なニュースサイトがコメントフォームを廃止しており、BuzzfeedなどもFacebookコメントしか利用していない。
また、これは経験則だが、日本固有の問題として、コメントがあまりつかないという文化があるように思う。コメントが何百件も付いているブログをアメブロ以外で見たことがない。それよりは、はてなブックマークやtwitterなどで検索した方がフィードバックは得やすい。もちろん、こちらが見ていないと思って口さがない批判を目にしてしまうことも多いが、それでも意見は意見である。
とにかく、Facebookやtwitterでのシェアを前提としてブログ記事が消費される現在では、本家本元のサイトに来てわざわざコメントを残すことは稀になった。
こうしたWebのあり方を鑑みても、コメントフォームは利用されづらくなっており、その傾向は進むはずだ。もしコメントフォームが意味を持つとしたら、ロイヤリティの高いユーザー(要するにファン)との関係性を強固なものにするためのツールとしてである。いまのところ、そうしたソリューションとして興味深いものは寡聞にして聞かない。
こうした「コメント冬の時代」において、Disqusがやや強引な手法でマネタイズに走ったとのはいたしかたない、というのが筆者の意見だが、読者の皆さんはどうお考えだろうか。コメントをお待ちしている。
“Disqusが広告サービスを展開するも反発を受けている様子”への2件の反応
こんだけ言ってもコメントつかないんすね。笑
そう、なのでDisqusが強引にマネタイズに走るのはしょうがないんですよね。