デジタル庁事務方トップはWordPressユーザー

9月1日に発足したデジタル庁の人事で事務方トップの「デジタル監」に石倉洋子氏が就任した。記者会見での発言「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」がSNSなどで話題になっている元の発言をITMediaの全文報道から引用すると、次の通り。

私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない。そういう意味ではデジタルの知識がある人間ではない。新しいことは一応やってみたいスタイルなので、初めてのプログラミングというオンライン講座の受講や、WordPressもやった。Pythonにもチャレンジしたが、今のところ挫折している状況。

「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」――石倉洋子デジタル監の発言が話題に 質疑での発言全文

一瞥するに、あくまで謙遜であったものが大きく流布したという形になる。これまでのデジタル行政に関わった登場人物たちの顔を思い浮かべると、Pythonにチャレンジしている時点で大天才と呼ぶほかないだろう。なにより、WordPress専門メディアCapital PとしてはWordPressを使った経験があること、そして、こうした会見の場で「WordPress」という言葉が発音されることに隔世の感を覚える。

SNSで広まった切り抜き報道に対する批判として、過去に行ったオードリー・タンとの対談などが紹介されつつあるのだが、Automatticの高野直子氏からもこぼれ話が紹介されている。

スレッドも面白いのでぜひ見てほしい。

問い合わせがMatt Mallenweg経由というところにややVIP感が出ているが、年齢に関係なく新しいことにチャレンジする姿勢は評価できる。当該サイトsinca.tokyo だけでなく自身の公式サイトもWordPressだ。

なんにせよ、メールも使わないようなIT音痴ではなく、少なくともWordPressを使いこなす人が事務方トップだということはプラスに評価できそうだ。性犯罪者ジェフリー・エプスタインから寄付を受け取っていた元MITメディアラボ所長ジョー・イトーを候補にしていたときは「大丈夫か?」と心配したが、政府関係者はうまい後任候補を見つけたものである。

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