Google for WordPress Publisher Tokyo #GFWP 参加リポート

先日12月10日に六本木ヒルズにて”Google for WordPress Publisher Tokyo”が開催されたので、その様子をリポートする。

イベント内容

このイベントはGoogleのWordPressチームがアジアを回るツアーの一環として行われている。AMPSitekitといった各種ツールの普及がその目的。セッションの内容は次の通り。

  1. Opening
  2. Progressive WordPress: Success in the Web, the WordPress Way
  3. User-first Websites, the road to success
  4. Lunch(お弁当がついていた)
  5. Further Along the User-first Path
  6. Workshop: AMP Plugin for WordPress
  7. Workshop: AMP-first Content strategies
  8. Policy
  9. Closing/Casual after party

さて、筆者は所用により昼のLunchから参加。WordPress+Googleというイベントであることもあり、WordPress関連のイベントでよく顔を合わせる人々と挨拶などをしつつ、弁当を5分ぐらいで完食。

Further Along the User-first Path

こちらはWordPressコアコミッターであるPascal Birchlerが登壇。Webサイトにおけるコンテンツの拡散およびそれをユーザーに届けるための仕組み、そしてその解析などについて考え方を紹介していた。全体的な印象としては、Sitekit、AMP、そしてAMP Storiesに力を入れていることが見受けられた。

Workshop: AMP Plugin for WordPress

同じくコアチームのWeston RuterAlberto Medinaが登壇。AMPプラグインでどのようにしてWordPressサイトをAMP対応にしていくかが紹介された。ざっとまとめると次の通り。

  • 現在はWordPressのテーマをそのままAMP化することが推奨されている。したがって、Transitional Mode(AMPの設定画面にある)で現在のテーマをそのままAMP化し、問題がある点を修正するアプローチをとる。
  • コアテーマ(twentyシリーズ)はすべて “AMP Ready” なので、なにもする必要はない。
  • AMP ReadyなプラグインはAMPの公式サイト amp-wp.org に掲載されている。
  • 現在のAMPプラグインにはバリデーション機能がついているので、問題のある箇所は直すことができる。

ワークショップでは実際に発生したJSのエラー(e.g. ドロップダウンが2階層目で開かない)を修正する様子が紹介された。

Workshop: AMP-first Content Strategies

こちらは同様のメンバーで「最初っからAMPに対応したサイトを作る」という方法が紹介された。採用されたテーマはNoto Simpleという公式ディレクトリ掲載テーマ。岩手に済むフリーランスのHitomi Seki作成。ブロックはamp-wp.orgに掲載されている Atomic BlockNewspack Block(Automattic製でGitHubにホスト)を利用した。結果、ノーコーディングでAMP対応のサイトが完成。

このセッションで見ていて感じたのは、「リスト」の重要性。Googleが紹介したAMP Readyなプラグイン・テーマの作成者リストというのは、公式テーマを含めてもWordPress界のVIPリストである。テーマなりプラグインなりでビジネスをしている場合、このリストに含めてもらうか、完全に別のリストで勝負するかしないと今後はきつくなるだろう。

Policy

Googleの広告掲載ポリシーに関するセッション。主な内容は広告の配信停止および配信制限に関するルールの変更。例えば、これまでタバコ・アルコールを推奨するブログはAdsenseを載せることができなかったが、一部緩和されたようだ。

すでにAdsenseをやっている人には同等の内容のメールが届いているはずである。

質問者からは広告掲載の細かなルールについての質問が飛び交い、おまけ的なセッションであったが、一番人気があったのではないだろうか。

After Party

懇親会ではビールと軽食が用意されていた。ヒューガルテンなどの瓶ビールも用意され、いつもよりリッチな気分。毎晩レモンサワーの元を水で割って気を失っている筆者には嬉しい贅沢だった。

軽食。小さいハンバーガー、サンドイッチなどもあり。
ビール、ワインなども揃っていてさすが天下の六本木!

Googleの皆さんと記念撮影。

おまけ・AMP Storiesとは?

さて、今回のイベントではAMP Storiesが紹介されていたが、最後に紹介しておこう。もう間も無く日本でも正式採用されるサービスである。ストーリー(とここでは一般化して呼ぶ)といいうのは、SNSをあまり使わない方にはなじみがないかもしれないが、InstagramやFacebookでよく見る「短いビジュアルコンテンツ」である。動画・画像とテキストを組み合わせた4枚ぐらいの紙芝居だと考えてもらっていい。

AMPプラグインにはストーリーエディターがついている(WP5.3 以上必須)ので、Capital Pでも試しに作ってみた。おじさんが順番に出てくるだけなのだが、どうだろうか。

ストーリーの普及は、Instagramの大ブームが起きたあと、一気に勢力を伸ばしたTiktokへの対抗措置という側面が大きい。「短くてすぐに情報が手に入る」という特徴のコンテンツはすぐにInstagram、そしてFacebookへと導入され、twitterでもモーメントとして採用された(いまtwitterでの優先度が下がっている)。

情報を発信する側としてストーリーが興味深いのは優先表示されるということだ。Facebookであれば「〇〇さんがストーリーを公開しました」という通知が出るし、Instagramでも一番上に表示されている。

Instagramでのストーリー表示例。

では、Googleはこの電脳紙芝居をどうやって優先表示させるのだろうか。おそらくだが、Googleの検索結果の優先的に表示されるようになるだろう。(参考:新たなSEOの到来か? AMPストーリーが専用ブロックでGoogle検索に表示される

どうしたらインデックスされるのか、そして、検索クエリとどのように関連づけられるのかは上記参考リンクを読んで欲しいのだが、おそらく新しいSEO競争の一要素にはなるはずだ。

また、気になるのはAMP Storiesが他のネットワークでどのように消費されるかである。たとえばOGPのように複数のSNSで共通して使えるものであれば、その普及は進むだろう。これは「twitterのタイムラインでリッチに表示される」という例が考えられる。CMのような、SNSや他のWebサイトで表示されるための共通フォーマットになるかもしれない。日本での事例ではアメブロのランキングやCookpadのレシピなどがあるそうだが、どちらもプラットフォーマーなので、筆者のような零細事業者は「AMP Storiesがどこで消費されるのか」が気になるところだ。

なんにせよ、セッションでも触れられていた通り、コンテンツの消費形態は一様ではなくなった。もしストーリーがユーザーの好みになっているならば、そうしたものを作っていく必要があるだろう。

オーバーストーリー

価格¥8,330

順位186,214位

リチャード・パワーズ

翻訳木原 善彦

発行新潮社

発売日2019年10月30日

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