以前お伝えしたように、WordPressがInternet Explorer 11のサポート終了を検討していたが、終了することに決定したようだ。makeブログ”IE 11 Support Phase Out Plan“では決定のプロセスおよびどのようにサポートを切っていくかが伝えられている。
- 2021年7月リリース予定の5.8からGutenbergプロジェクト管理下のファイルでIE11サポートを終了。
- その他、コアの随所に書き込まれたIE11ハック的なものは5.9から順次削除していく。
さて、気になるのは「どのように影響が出てくるか」だが、現時点でそもそもエディターを含む管理画面ではIE11をサポートしていない。筆者の知る限り、Fetchリクエストを使うようなコードがこけるので、ブロックエディターで保存ができないのではないかと思われる。
では公開側でどういった影響が考えられるかというと、 browserlist
ファイルからIE11を除くことにより、JSおよびCSSの表記がIEに対応しなくなっていくだろう。具体的にはブロックエディターが公開側画面で読み込むブロック用CSS(ギャラリー用のCSSなど)がIEに対応しなくなる。どのように対応しなくなるのかは一概に言えないが、たとえばベンダープレフィックス -ms-
がないと動かなかったCSSプロパティなどが適用されなくなるだろう。いかにも崩れそうなのはグリッドレイアウトを利用した部分だ。
それに続いて、5.9以降からコアの中で適用されていたIE用コードも徐々に削除されていくそうだが、たとえばこれまで jQuery.Ajax
で行っていた処理をFetch API @wordpresss/fetch-api
に変えるという変更もなされるかもしれない。ここの部分がどのようにサポートされなくなっていくのかは進展を見ないとわからないので、「5.9にアップデートするとIE11でどうなるのか見積りを出してください」と言われたらかなり辛い仕事になるだろう。
なお、テーマ側でがんばってIE11対応するというのは考えられるが、公式リポジトリおよび販売しているテーマでIE11対応という費用対効果が悪いことに注力するプレイヤーは少ないと思われるので、特定の業種(ユーザーが全員古い業務用Windowsなど)だけ頑張って対応することになるかもしれない。
いずれにせよ、2021年内にはIE11のサポートが終了する予定だ。該当する環境に関わる人は「アップデートしたら壊れました!」と言われないよう喚き散らして周知を徹底しよう。
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