ChatGPTが動作するWordPressプラグインを書いてしまう

公開から一週間で100万ユーザーを突破したChatGPT は対話型でAIチャットツールだ。その会話の精度の高さからシンギュラリティ——技術的特異点——の到来も予感させるほどだ。つい先日、Stack OverflowがChatGPTで生成した解答を禁止したこともニュースになった。「ChatGPTにプログラミングに関する質問をして解答をもらった」というSNS上の投稿を見かけた方も多いだろう。

さて、そんな実験の最中、ChatGPTを「調教」して実際に動くプラグインを生成した”P”が現れたとWP TAVERNが報じている。

ジョナサン・ウィリアムズは「カスタムメニュー、カスタム管理画面、値の保存、保存した値の検証」などを行えるプラグインの生成に成功したと呟いている。このプラグインはGistにもあげてあるようだ。

AIがプラグインを生成する時点で驚きなのだが、実際に動作するものができてしまうとなると、驚きを通り越して危機感すら覚える。カスタムメニューを追加するという仕事自体は確かに簡単なものではあるのだが、仕事という観点からすると、WordPressを生業とする人々にとっては「AIに仕事が奪われた」という状況が出現しつつあると言えるだろう。こうした「AIに仕事が奪われる」という21世紀のラッダイト運動的なテーマについては、10年ほど前に筆者が書いたテキスト「真に恐るべきは異形のモノ」があるので是非ご参照いただきたい。

やや不安を煽る論調になってしまったが、安心できるポイントもある。ChatGPTにプラグインの生成を頼んでも、「調教」がうまくできていないと失敗するようだ。

つまり、いまのところ「なんでも思い通りのプラグインを作成できるAI」というところまでは達しておらず、「ある程度経験をつんだWordPress開発者が『調教』しながらようやく『よくあるカスタムプラグイン』ができる」という状況なのだろう。しかしながら、この精度はだんだん上がっていくはずであり、最終的には「カスタムコードの作成をプロに頼む」料金と「AIに自動でプラグインを生成してもらう」料金の均衡点が判明することだろう。それがもし月額10ドルだったとしたら、恐ろしい話だ。

ちなみに、筆者はOpenAIから届くアカウントのSMS認証がなぜか届かないので、まだ試せていない。スタートラインにすら立てていないことが大変不安ではあるのだが、目の前にある仕事にタイピングしながら向き合っていくしかない。少なくとも、いまのところは。

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