WordPress.comはAutomatticが提供するサービスであり、セルフホスト型のWordPressと比較すると「不自由だが安全」とまとめることができる。その理由は簡単で、Automatticが有するホスティングのノウハウの恩恵がある一方、テーマやプラグインを自由にはカスタマイズできなかった(WordPress.comが許可したものから選択する)からだ。
しかし、最新のブログ記事 “WordPress.com Business Now Supports Plugins and Third-Party Themes” によれば、このほどビジネスプラン(月額2,983円)の有料ユーザーにのみ、サードパーティー・プラグインのインストールを許可するようになったようだ。
ではこの「サードパーティー」とはなにかというと、要するにWordPress.orgにホスティングされている公式リポジトリのプラグインのようである。
これまではAutomatticが選んだプラグイン・テーマの有効無効を選ぶだけだったが、これからはある程度自由にインストールできるようになるということだ。
実際のやり方が紹介されていないので、識者の指摘を待ちたい。
ビジネスプランの競合は?
さて、WordPress.comのビジネスプランは2,983円である。これは実のところ、欧米でよく利用されるWordPress専用ホスティングプランと同じぐらいの価格帯だ。参考に、よく名前が挙がるWordPressホスティングの料金ページへのリンクを上げておこう。
名前 | プラン | 料金 |
---|---|---|
FlyWheel | Personal Plan | $28/mo |
BlueHost | WP Standard | $19/mo |
WPEngine | Personal | $29/mo |
GoDaddy | Developer | $15/mo |
DreamHost | DreamPress | $16/mo |
Pantheon | Personal | $15/mo |
どこも特徴は異なるのだが、だいたいCDN, SSL, セキュリティソフト, 電話サポートが付いてくる。WordPress.comのビジネスプランは、これらと競合になると思われる。
ただし、ビジネスプランといえど、いわゆる「オレオレプラグイン」や「オレオレテーマ」は利用することができないようなので、自由度が競合他社と完全に同じというわけではないようだが、WordPress.comブランド(公式っぽさ)もあることなので、強力なプレイヤーの1つにはなるのではないだろうか。ハピネスエンジニア(Automatticにたくさんいるサポートなどをする人たち)の仕事も増えることだろう。
ちなみに、こうしたWordPressマネージドサーバーというサービスは欧米にたくさんあるのだが、日本でこれに相当するものはwpXやEx-Cloudなどであり、いわゆるレンサバとは少し異なることに留意されたし。
WordPress業界の主要なビジネスの1つは「ホスティング」である。実際、WordCamp USやEuropeの高額なスポンサー費用(1,000万円!)を払っているスポンサー企業の多くはホスティング企業である。今後も、仁義なき闘いが繰り広げられることは間違いない。
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