WooCommerceが “Saying Goodbye to Canvas” というブログでCanvasの開発終了を宣言した。2010年にリリースされた「マルチパーパス・テーマ」がその役割を終えた。
Canvas is 何
さて、ところでいったい Canvas とはなんだろうか? これはマルチパーパス・テーマ、つまり弁護士のサイトもレシピサイトもWebマガジンも作れる「多目的テーマ」として人気のあったテーマだ。
マルチパーパス・テーマの多くは「フレームワーク」を採用している。これは以前紹介した「ページビルダー」のようなものもそうだし、リッチな設定画面を作れたりする。
Canvas の場合も WooFramework というWooThemesのフレームワークを採用している。こうしたフレームワークを利用したテーマを作ると、開発者は大変かもしれないが、ユーザーはノーコーディングでサイトを作れるというわけだ。
Canvasはこうしたマルチパーパス・テーマの中でももっとも人気のあったものの一つで、英語で検索すれば、Canvasの子テーマを作るTipsや「Canvas対応してます」という謳い文句を掲げる制作会社のWebサイトが見つかる。
WordPress業界の有名人、Chris Lemaも “Canvas vs Genesis: When do you choose each?” という比較記事を書いていた。
こうした「マルチパーパス、フレームワーク、子テーマ」というのは人気のあるテーマに典型的なパターンだったことは念頭に置いておいてよいだろう。その需要がたくさんあったし、有名テーマの子テーマを作れるだけで仕事のある時代があったのだ。
なぜ Canvas 終わってまうん?
Canvasのページに行くと、”継続的な開発の理念において、このプロダクトはリタイアさせました” と書かれている。
まずGutenbergのようなエディターとテーマカスタマイザーの改善によって、Canvasのようなマルチパーパス・テーマの意味合いが薄れてきたことが挙げられる。
人気のあるページビルダー機能は投稿画面にカラムレイアウトを導入したり、ビデオを挿入したりできるのだが、それは今後Gutenbergに搭載されるブロック機能によって相対的な価値が低下するだろう。
また、設定画面を作れるフレームワークも人気があったが、テーマカスタマイザーがリッチになっていき、現在のようなリアルタイムプレビューができるようになってくると、これまた価値が低下してしまう。
なにより、フレームワークの決して少なくないコードをメンテしてオーバーホールする労力をかけるぐらいなら、その労力をGutenberg対応に向けた方がよいと感じたのだろう。
Gutenberg時代に対応できるか?
これはCanvasに固有の問題ではなく、すべてのテーマ開発者が直面するだろう問題だ。投稿の本文、マークアップでいうならば div.entry-content
の中身にあれこれカスタマイズするテーマは、なんらかの大きな改修を入れる必要がある。
とりわけフレームワークの採用はこうした大きな変化に対応するとき、それが成功しているほどジレンマとなる。秘伝のタレ的にオレオレフレームワークを成長させ続けている開発者は、心しておいた方がいいだろう。(余談だが、Gutenbergリリース後にそれをオフにする Classic Editor というプラグインも開発中)
なにはともあれ、2010年にデビューした人気テーマが2017年に終了するというライフサイクルの無常観を胸に刻み、明日からもテンプレートタグを打ち込んで行こうではないか。生き残るのは強いものではない、変化するものなのだ。
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