Before Gutenberg – 今までに作ってきた機能はどうなって、いつまで使えるのか?

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Gutenberg 関連で受けた質問のなかに「これまでに作ってきたものは、どうなるのですか?」というものがあります。そして、「Classic Editorを入れればいいというのは分かったけど、いつまで使えるの?」と続きます。これは、特にクライアントに対してこれまでにいろいろと作って納品してきた人たちからの質問です。簡単に答えてみますので参考にしてください。

前提として、Gutenberg とはなにか、要点は以下のものです。

  • WrodPress の次のメジャーバージョンから導入される新しいエディター
  • 「ブロック」という新しい概念が取り入れられている
  • これまで使われていたTinyMCEベースのエディターはそのままでは使えなくなる(Gutenbergに数あるブロックの中に、TinyMCEエディターブロックも含まれていて、既存のコンテンツは移動される。また、コンテンツをブロックに分割する変換機能も実装される。)
  • 導入の時期は、2018年8月以降にリリースされるWordPress 5.0であるとアナウンスされている
  • WordPress 5.0 のリリースまでの間は、Gutenbergプラグインをインストールすることでテストできる
  • WordPress 5.0 のリリース以降、これまでのTinyMCEベースのエディターは、Classic Editorというプラグインを入れておくことで、引き続き使うことができる

参考リンクは以下になります。

Gutenbergの影響範囲は投稿と固定ページの編集画面です。そのままでは使えなくなるカスタマイズ機能は、コンテンツエリアのエディターと、周辺のメタボックスの一部です。今までのWYSIWYGエディターにボタンを追加している場合には使えなくなり、編集画面の一部に挿入してあるメタボックスの一部はうまく移行できなくなります。

さて、冒頭の質問「これまでに作ってきたものは、どうなるのですか?」への答えは、「Classic Editor プラグインを入れておけば、今までどおりに使うことができる」となります。このプラグインはGutenberg に関連するすべての機能とUIを無効化して、今までのエディターを復活させるというものです。コンテンツエリアのエディターだけではなく、全体のUIをもとに戻すので、これまでに追加されたTinyMCEエディターへのカスタマイズや、その他のメタボックスなどもすべて使うことができるようになります。Classic Editorプラグインは、現在のバージョン(WordPress4.9.8)にインストールしておき、5.0に備えることができます。

次に、「いつまで大丈夫なの?」問題ですが、回答は「Classic Editor プラグインを入れておけば5年くらいは大丈夫そう。むしろ心配なのは今後のWordPressの進化に取り残されてしまうこと」となります。

詳細は WP Tavern の記事 “WordPress to Support Classic Editor for “Many Years to Come,” Plugin and Theme Markets Expected to Drive Gutenberg Adoption” の前半に詳しいのですが、WordPress プロジェクトの共同創始者(Co-Founder)である Matt Mullenweg が書いたコメントの一部を、5年という数字の一応の根拠としてご紹介・翻訳します。

There is an infinite number of ways that WP can be used and not all will be ready for Gutenberg when 5.0 is released, Classic allows people to still be able to update core and stay current with releases, and with the click of a button try out Gutenberg again in the future if they want to. It’s also trivial to maintain because Gutenberg also uses TinyMCE, so Classic Editor users will still get improvements and updates to TinyMCE — I won’t say “forever” but I don’t see any reason why we can’t maintain classic for the edit screen for many years to come.

このコメントは「WordPress 4.9.8 のリリースとともに巨大なGutenbergお知らせが管理画面トップページに表示された結果、GutenbergとClassic Editor の両プラグインのインストール数が伸びたのとレビューを見るとGutenbergへのアレルギーみたいな反応が出てもう大変」という記事に対するコメントです。翻訳は以下のようになります。

WordPressを活用方法は無限であって、そのすべてが5.0がリリースされる時にGutenbergに対応できるということにはならないが、クラシックエディターがあれば、(Gutenberg非対応の人たちであっても)WordPress本体をアップデートして今後のリリースにも追随していくことができる。そして、将来もう一度Gutenbergを試してみたいとおもった時には、ボタンをクリックすることですぐに試せる。TinyMCEをメンテナンスしていくことについてもそんなに難しいことじゃない。なぜなら、GutenbergもTinyMCEを使っているから。また、クラシックエディターのユーザーもTinyMCEにたいする改善やアップデートを受け続けることができる。— 「永久に」とは言わないけれども、クラシックエディターを、今後長年にわたってメンテしていくことができないという理由を見出すことはできない。

です。「永久に」とは言わないけれども、クラシックエディターを、今後長年にわたってメンテしていくことができないという理由を見出すことはできないというところがポイントです。メンテナンスということで、バグやセキュリティーについてはサポートしていくということでしょう。一方で、新しいフックの追加などの新機能の追加は期待できません。

次に、「今後のWordPressの進化に取り残されてしまう」という懸念点について。

今後、ちょっとした改善から新機能の追加、今後起こりうるイノベーションまで、すべての新しいことはGutenbergを前提として議論・開発されていきます。WordPressのコアの開発もそうですし、テーマやプラグインといったエコシステムの進歩もそうです。具体的には、コアでは今後、「ブロック」の概念がカスタマイザーやウィジェット、メニューの方面まで広がっていくことになります。コンテンツエリアに限らず、ウェブサイトとはブロックの集まりであり、それがどこであっても同じUIを使って編集ができるようにする、という方向に向かっていきます。コンテンツエリアとその外側(ヘッダーやサイドバーなど)は同じように編集できるようになっていきます。また、テーマやプラグインも、クラシックエディターのユーザーは年々減っていくことを考えれば、Gutenbergを前提にしたほうが未来があるということで進んでいきます。

書籍もブログでの案内もそうなっていくでしょう。WordPress本体も、その周辺のエコシステムも、Gutenbergを前提として進んでいきます。その時に、いつまでもクラシックエディターを使っていると、次第に取り残されて、成長はなく同じものをひたすら使っているだけというところにハマってしまいます。クライアントに対してこのことを説明しておくのは大事になるでしょう。大丈夫だけど陳腐化して古くなっていきますよ、と言っておくことです。今までの投資を温存することの利点と、これからの進化についていけないことの損失を併記しながら、議論して進めておくとよいかと思います。

WordPressが後方互換性を重要視する方針、つまり、これまで使い続けることのできた機能(テーマやプラグイン)はWordPressのアップデートがあっても引き続き使えるという方針はこれまでと変わりませんが、10年以上使われてきたものに限定されていたら、今後のウェブの進化についていけないのではないか、という危機感から生まれたGutenbergの導入は、これまでとは様子の違う大型アップデートです。既存の価値と将来の価値が交わる場所になるという点を踏まえて、うまく対応していきましょう。

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