WordCamp Asia 2023 振り返り

さる2023年2月17日〜2月19日にわたって開催されたWordCamp Asia 2023。2020年のCOVID-19によるキャンセルから3年越しで開催された地域イベントの様子を参加者視点でお伝えしたい。

日本からの参加者

日本のWordPressコミュニティからも多く参加。まずはグローバルリードを務めた高野直子氏のほか、オーガナイザーチームの面々も勢揃いしていた。日本のWordPressコミュニティのオールスターといった印象である。

とくに写真チームは日本勢がかなりをしめており、ロケットのような望遠レンズを2本抱えたAtsuhi Ando氏は頼もしかった。

「讃えられない英雄」であるフォトグラファー!

さらにはスポンサーとしてm-g-nTaroskyも参加。Googleも日本法人からメンバーを派遣していた。ちなみに、筆者は自身が所属するTaroskyとして参加しており、Taroskyはドキュメントチームのリードを務める立花明氏の航空券代をサポートしている。m-g-nも「Theme Park」という名前でスポンサーブースを出しており、Snow MonkeyArkheLightningなどの宣伝をしげあげるという、コミュニティドリブンな新しい宣伝方法を試していた。こうした「海外や日本のWordCamp参加をサポートする」という手法はコミュニティの成長にとって欠かせないサポートのあり方なので、今後も広まっていってほしい。

コントリビューターデイ

コントリビューターデイは2月17日に開催。会場は新しい商業施設であるIcon Siam。バンコクの中心地から外れた川沿いの新開発地域らしいので、日本で言うならばお台場のような感じだろうか?

会場のIcon Siam

この日はWordCamp USやWordCamp Europeと同様、各チームのリーダーたちが参加していた。筆者はコアチームに入り、パフォーマンスチームの取り組みに参加した。パフォーマンスチームのメンターはGoogleにジョインしたアダム・シルバースタインが務めており、Core Web Vitalのような指標を向上させるための取り組みがなされていた。筆者はやや手薄だと思われたデータベースパフォーマンス改善のチケットを発見。この問題を解決するには別に検証用環境を作る必要があると感じ、大規模データを備えたWordPressを構築するためのプラグインなどを開発した。

ドキュメントチームでは前述の立花氏がリードをつとめており、日本人からグローバルチームのリードが出ているのは誇らしい。

ドキュメンテーションチームで挨拶をする立花氏。

セッションデイ

2日目と3日目はセッションデイ。筆者はスポンサーとして参加していたので、主にブース周りにいたのだが、日本人が登壇したセッションをいくつか拝見した。まず、Stripeの岡本氏はサブスクリプションビジネスについてのセッション。

ノーコードでSaaSを展開する方法

そのほか、m-g-nの大串肇氏によるパネルディスカッションでは、コミュニティの成長について各国のコミュニティ代表による議論が交わされた。この体験談については大串氏がすでにブログを書いているので、そちらもご覧いただきたい。

テーマLightningの作成元であるVektorからは石川氏がブロックテーマ時代におけるテーマのマネタイズ方法についてセッション。インドやネパールなどのプレミアムテーマビジネスに関わる人が多く参加していたので、この話題は多くの興味を引いたようだ。

Human MadeのK.Adamも反応。

いずれも特筆すべきは、英語で登壇したということだ。さらに、この三人はいずれも留学や海外勤務経験などがない、日本語ネイティブである。そうした人々が一歩踏み出して英語でセッションを行ったというのは記念すべきWordCampと言えるだろう。

また、WordPress創業者のMatt Mullenweg氏は家族の体調不良で参加できなかったが、AMAセッションでオンライン参加をした。

スポンサーブース

スポンサーブースにはおなじみJetpackやWP Engineなどの大手がブースを出しており、AirPods Proの抽選大会ではものすごい人だかりができていた。こうした豪華景品が飛び交う様子はWordCamp USやEuropeなどでもよくみられたので、グローバルなWordCampとしてAsiaも位置付けられているのだろう。

また、ブースに立った側の立場としては印象深かったのは、インド・パキスタン・ネパールといった南アジア勢のアグレッシブな売り込みである。この地域は英語話者が多く、なおかつ経済格差を考えるとテーマビジネス・コンテンツビジネスが成り立つ余地が大きいのだろう。彼ら/彼女らのバイタリティには学ばされることも多い。

クロージング・リマーク(閉会式)

閉会式では各チームへの感謝と共に、統計情報も発表された。約1300人の参加者ということで、新型コロナの状況を考えると、大盛況と言えるだろう。

また、次回のWordCamp Asia 2024の開催地も台湾・台北に決定。前日の夜にCapital Pのメンバーである西川伸一による予言が当たった形になる。候補地としては、近隣諸国からのアクセスしやすさ(ビザなど)、物価、ローカルコミュニティの成熟度などが考慮の対象となるが、複数回のWordCampを開催している台湾が選ばれた形になる。

次回は2024年3月台北!

アフターパーティー

アフターパーティーは川沿いのLhong1919という場所で開催された。筆者は当日23時の便で帰国予定だったことと、バンコクのスワンナプーム空港の出国手続きが激混みという噂があったので、早々に後にしたが、アジアらしい雰囲気で盛り上がっていた。

アフターパーティーには生演奏バンドも!

まとめ

筆者は2019年からWordPress関連のオフラインイベントにまったく参加していなかったので、オフラインで会う機会が久しぶりに訪れて刺激になった。現在のコロナ禍がいつまで続くのかにもよるが、日本でもWordCampが開催されるのも遠くないはずなので、そちらも楽しみにしたい。

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