2016年から始まったGutenberg計画もいよいよフェイズ3に到達した。ブロックエディターやフルサイト編集などの機能が予定通り実装され、残る大きな課題はリアルタイムコラボレーション(Googleドキュメントのような同時編集)、非同期コラボレーションと公開フロー(Edit Flowのような承認機能)、リビジョン機能の改善など、コンテンツ管理にまつわる機能改善が多く予定されている。なかでも最も大きな変化は管理画面のリニューアルだ。
WordPressの管理画面は、見栄え上の細かな改善はあっても、基本的にレガシーなスタイルなままだということは、多くのユーザーが同意することだろう。特に、新しい機能(例・リアルタイムコラボレーション)をとってみても、エディターや投稿一覧で「いまこの投稿を編集しているユーザー」が表示されている必要がある。それこそ、Googleドキュメントやスプレッドシートのように。そうなると、管理画面を生成する手法(おそらくReactベースになるだろうが)を根本的に再設計する必要がある。では何がどのように変わるのかというと、makeブログで青写真が公開されている。おもな目標は以下の通り。
- スクリーンレイアウトの再設計。”Shell and the Canvas”という表現をしているが、ブロックエディターでたとえば管理バーがどのように表現されるかなど、改善点はやまほどある。
- パーソナリゼーション。WordPressは基本的に権限と役割でしか管理画面の見栄えを変えないが、本来はユーザーごとに変更できてしかるべきだろう。ちょうど、iPhoneのホーム画面を変えるようなイメージだ。
- 拡張性。管理画面をリニューアルするとどうなるかというと、プラグインが追加する管理画面の互換性がどうなるのかという大問題が発生する。どげんかせんといかん。
この中でも筆者のようなプラグイン開発者にとっての大問題は、拡張性がどうなるか、という点である。現段階で予想できるのは、Settings APIなどを利用していないプラグイン(つまり、管理画面を作り込んだプラグイン)はとんでもない工数をかけてリニューアルに追随しなくてはならないということだ。大変めんどくさいのだが、いまのレガシーな作りの管理画面をよくするために乗り越えなくてはならない壁である。
すでに7年ほど続いているGutenbergプロジェクトだが、いよいよ大詰めのフェイズ3に突入した。共同編集機能や公開フローの改善などは待望の機能なので、ブロックエディターどころではない大激震となる予感はしているが、完成を心待ちにしている。
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