PHP_CodeSnifferはさまざまなCMSやPHPフレームワークが依存している構文チェックツールだ。PHPCSという名でも知られる。WordPressもその一つであり、WordPress-Coding-Standardsでコーディングルールチェックを行なっている。このPHPCSだが、長い間Squizというオーストラリアの会社がスポンサーを行ってきたのだが、同社がスポンサーをやめるため、プロジェクトの継続があやしくなっているらしい。現在、新しいスポンサーを求めてPHPCSメンテナのJulietteが支援を呼びかけている。
なんでこんなことになってしまったのか、というのはPostStatusの記事 “PHPCS, a major PHP library, needs support” に詳しい。
PHPCSはSquiz所属のGreg Sherwoodがプロジェクトオーナーで、長い間一人でメンテナンスしてきた。しかし、GitHubのInsightsでもわかるとおり、最近はあまりコミットしていない。理由はわからないが、これは同社がPHPを使わなくなったせいもあるだろうか。最近はJulietteによるコントリビュートが目立っていた。
Squizがスポンサーをやめることで、同社が別の団体に所有権を譲ればそれでよかったのだが、同社はプロジェクトのオーナーシップを放棄することをよしとしなかった。この点に関しては所有者がそう主張するならばどうしようもない。これまで多大な貢献をしてきたにも関わらず、その対価を受け取っていないと考えているのかもしれない。そこでJulietteがリポジトリをフォークをしてプロジェクトを継続することになるのだが、スポンサーなしでメンテナンスできるほど簡単なプロジェクトではないということだ。現在はOpen CollectiveやGitHub Sponsorで寄付を募っている。
プロジェクトのメンテナンスが継続しても、世界中のリポジトリでcomposer.jsonを書き換えなければならないだろう。以下のsquizlabsが何か別の名前に変わるわけだ。
{
"require-dev": {
"squizlabs/php_codesniffer": "3.*"
}
}
もしかしたら、名前空間も書き直しになるのかもしれない。PSRの名前空間では ベンダー名\プロジェクト名 と推奨されることが多いが、こういうケースでは不便である。
以前に紹介した「ネブラスカ州にいる誰かが、特に感謝されることもなく2003年からずっと保守し続けているプロジェクト」だが、PHPCSもその例に漏れない。各プロジェクトがリーダーシップを発揮して支えていけるとよいのだが。
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