ブロックエディターの4フェーズ、あるいは2020年以降までのWordPressのざっくりロードマップ

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前回の記事では、2019年にWordPressが取り組む9の計画が紹介されました。

この記事では引き続き、2018年12月に開催されたWordCamp USにおける、共同創始者Matt Mullenwegの講演で提示された、Gutenberg(現ブロックエディター)の4フェーズについて触れておきます。

WordPressの方向性について抑えておきたい前段2つ

ロードマップというか、マイルストーンというか、ビジョンというか、Mattはこれまでにも何度か折に触れて今後はこっちに進んでいくよ!という話をしてきましたので、抑えておきましょう。

2016年に示された3つのフォーカスエリア

2016年の以下のState of the Wordでは、それまでキープされていた、およそ3ヶ月に一度のメジャーバージョンアップデートを回していくサイクルを取りやめて、3つのフォーカスエリアを取り上げてメジャーリリースをしていくという方針が発表されました(そして、実際そのようになりました)。その3つのエリアとは、

  • エディター
  • カスタマイザー
  • REST API

の3つであり、その後、カスタマイザーについてのリリースやGutenbergを導入するリリースなどがありました。

2019年のやることリスト

昨日の記事のことです。

Gutenberg(ブロックエディター)の4フェーズとは

それでは、今回示された4つのフェーズについて見ていきましょう。

第1フェーズ

管理画面内のエディターにおけるブロックを利用した執筆と編集の基盤整備。WordPress 5.0 で完了しているが、今後も引き続き改善、改良されていく部分。

第2フェーズ

ページや投稿のコンテンツの外側をカスタマイズできるようにする。ウィジェット、メニュー、その他のコンテンツが含まれる。

第3フェーズ

コラボレーション機能の実装。複数のユーザーが同時にブロックエディター内で作業をできるようにする。ワークフロー。2020年以降に実施。

第4フェーズ

WordPressで複数言語を扱うための公式なものを導入する。2020年以降に取り組む。

という4フェーズということです。来年の2019年が第2フェーズで、第3、第4フェーズが再来年ということでしょう。

ここからは、フェーズの2と3と4についてちょっとだけ考えてみたいと思います。

第2フェーズについては、以前から明らかになっていた内容です。WixやJimdoなどのサービスを見ると、サイトのタイトルからナビゲーションの管理、ページの作成までが、見たまま編集できるようになっていますが、そうした形にWordPressも寄せていこうというものです。カスタマイザーとの統合のような形と言われておりましたが、どうなるんでしょう。見た目も実装の方法も今はほぼゼロベースで、誰に聞いても「だよね、どうなるだろうね。まずは本体がなんとかならないとね」といった反応でしたが、いよいよ議論が始まるようです。

第3フェーズは意外でした。コラボレーションというのは、Google DocsやDropbox Paperのような形で複数人が同時ログインして編集できる形を作ろうということでしょう。たしかに、ひとつひとつのブロックにはIDがついており識別が可能なので、今までにもそういうプラグインが作れるだろうという話はありました。ブロック単位で編集を一人だけにロックするというような形になると思います。似たような話では、ブロックに対して編集者コメントを付けて会話ができるようにするというプラグインも聞いたことがあります。

このフェーズでは、ワークフローについても言及されていますが、たしかに複数の人たちが作業するということであれば、レビュアー、寄稿者などの権限について整理する必要があるでしょうし、公開するまでのフローももっと便利にできるかもしれません。

第4フェーズ、複数言語への取り組みは、予想外であることに加えて、なぜこれがGutenbergの続きのような形で話されているのかもよく分かりません。ただ、これは朗報でして、以前からWordPressが複数の言語を扱うためのスタンダードやAPIが必要という声はありました。なので、Gutenberg、ブロックエディターとは関係ない話として考えてちょっとだけ流れをおさらいしてみましょう。

現在のWordPressの多言語化の各種プラグインを見ると、それぞれの実装がバラバラすぎて互換性がないことが問題となっております。ある投稿が何語で書かれているのかの保存方法、その記事の他の言語バージョンとの紐づけの仕方など、現状では各プラグインがそれぞれ独自の実装しています。そのため、ポストメタやタクソノミーにそのデータを保存していたり、マルチサイトをベースにしていたり、ひとつの投稿の中にすべての言語情報を無理に詰め込んでみたりしていました。また、メニューやタームの紐づけや翻訳の保存方法についてもバラバラ、ポストメタの扱いなどもバラバラでした。

WordPressには、言語についての基本的な設定があります。翻訳さえすれば何語でも使える構造ですし、サイトを何語にするのかを設定や、ユーザーごとに管理画面を何語で表示させたいのかの設定も選ぶこともできます。そうしたところを一歩進めて、多言語化プラグインにも使いやすい形を模索していくことになりそうです。

というわけで、フォーカスエリア、2019年のタスクリストに続いて、ブロックエディターの再来年までのビジョン的なものが揃ってきましたので、取り上げてみました。

それではまた次回。

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この記事を書いた人

西川伸一

男木島という瀬戸内海の小島に暮らしています。その前は、バンコクで2年半暮らしていて、その前は東京でした。最近はポッドキャストをするのが趣味です。WordCamp Ogijima 2018, WordCamp Tokyo 2012の実行委員長や、Bangkok WordPress Meetupの立ち上げなど頑張りました。仕事は、Human Madeの日本事業統括。WordPressをコアに、エンタープライズやパブリッシャーのためのもろもろの機能(WordPressプラグインや開発環境、AWSサービス群)を束ねたDXP、Altisの普及を促進しています。

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