WordPressマネージドホスティング業界で一際大きな存在感を放つWP Engineはここ数年で買収を繰り返しているが、今度はDelicious BrainsからACFことAdvanced Custom Fieldsを含む5つのプラグインを買収した。Flywheelに続く大型買収になりそうだ。
以前お伝えした通り、そもそもACF自体が買収されてDelicious Brainsの所有になっていたはずだが、WP TAVERNの報じるところによると、Delicious BrainsはACF買収以降、3倍以上の従業員を抱えるほど成長したが、組織が大きくなりすぎたため買収を決意したようだ。Acui-hire(アクハイア=買収にともなって従業員も一緒に移籍すること)の形でプラグインとともに何名かの技術者も移籍したようである。Delicious Brainsは1年足らずでACFの買収を行ったことになり、ディールとしてはかなり良い結果になったのではないだろうか。
WP Engineは2019年に報道によれば年間の売上が1億3200万ドル、投資総額も2億8900万ドルとなっている。資金の多くは買収や宣伝費に投じられているようだが、2022年になったいまではもう少し成長しているところだろう。ちなみに日本の上場企業であるさくらインターネットは21年3月で年間売上221億円(連結決算)となっている。事業形態から単純な比較はできないが、規模感の参考にしてもらいたい。
ACFが買収されたことによる影響だが、たとえばACFのラインセス価格が変更になる可能性はある。ACFはサブスクリプションへの移行を模索していたが、WP Engineはホスティング事業者なので、そこで収益を出す必要はなくなってくる。そうなると、ライフタイムライセンス(買い切り)の維持も視野に入ってきそうだ。
ここ数年続いているWordPressプラグインの買収劇はまだまだ続きそうである。
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