2018年7月15日開催のWordCamp 男木島、実行委員長から裏話を。 2018年7月15日、3連休の真ん中の日曜日に開催されるWordCamp 男木島について、実行委員長が裏話をしています。

2018年7月15日の日曜日、香川県は高松の港からフェリーで40分のところにある瀬戸内海の小島、男木島でWordCamp Ogijima 2018が開催されます。人口160人の島での開催、200人という参加可能人数の少なさ、 ワントラックであること、そして、男木島灯台のある海岸でのリアルキャンプ(テントとかはってキャンプファイヤーをする)があることが特徴です。

WordCamp 男木島 2018 の公式ウェブサイト
WordCamp 男木島 2018 の公式ウェブサイト。トップのイラストは瀬戸内海の島々などのイラストを描くオビカカズミさんは、WordBench男木島のメンバーでもあります。サイトの制作やコンテンツは、@, @, @, @、その他みんなでブログ記事などを書いています。

と、ニュースをお伝えしつつ、実行委員長は僕(西川。@shinichiN)なので、ここからは、中の人目線で書いていきます。少し内輪の話も入ってきますが、公式サイトではないので自由に書かせていただきまして、裏話とも銘打っていますので、そのあたりはお許しいただいて楽しんでもらえればと思います。

男木島、地方での小規模開催

何といっても一番の特徴は、男木島という開催地です。男木島であることの第一の理由は、WordBench 男木島をベースにしていること、僕と副実行委員長の額賀さんが男木島に暮らしていることです。経緯としては、WordBenchのたびにいつかやりましょうよ、などと笑いながら話し合っていたところ、もう一人の副実行委員長である本田さんが「やるやるずっと言ってますけどいつ始まるんですか?」と言ってくれまして、もうやっちゃいましょうか、と相成りました。

さて、島での開催によって期待されるのは、島が楽しい、海が綺麗、天気が良くて気持ちがいいということの他に、地方の小規模 WordCamp の流れができるかもしれないということです。

一つの場所で、1日、50人以上が集まってWordPressの話をするイベントであれば、それはWordCampである(この他にも現地に活発なコミュニティーがあるとかライセンスが云々という条件的なものはあるのですが、それはさておき)。これは、2014年に参加した WordCamp San Francisco のコミュニティーサミットで、当時僕が住んでいたバンコクでいつかWordCampやりたいという話をした時に聞いたことです。当時、僕の想像は、1000人以上の人たちが来る東京のWordCampをベースに考えていたこともあり、やっぱり500人位は目標にしたいしもっと多くてもいいかもと思っていました。そういう発言をしたところ、いやいやもっと小さく始めたらいいんじゃない?200人とかどう?と、50人という前述の条件の話に繋がったのでした。これを聞いてずいぶん気が楽になり、想像図もずいぶん変わりました(先日開催されたWordCamp Bangkokのレポートはこちら)。

東京のWordCampは2008年に60名から始まったそうです。現在の東京や関西でのWordCampのように大きくなくても、小規模で感じのよい個性的なイベントがポコポコ実施される流れができるといいな、と思います。男木島でできるんだったら、うちの町でもできるじゃん、的な。温泉やカニ、活火山などすでにおもしろいイベントも多くあったわけで、今後何か起こらないかなー。今回、夜のキャンプがあったり、参加人数が少ない割に、手間がすごくかかっていて、ウェブサイトや制作物がすごくきれいと、若干ハードルがあがっていますが、もっとシンプルなものもあっていいと思うのですよね。

ちなみに2019年は、瀬戸内国際芸術祭が行われて、男木島が大混雑する関係上、男木島での開催は難しいと思いますので、2年とか3年交代くらいで瀬戸内エリアや四国エリアでくるくる回って開催するとかどうかなぁ。

実行委員会チーム

実行委員長挨拶にも書きましたが、オーガナイザーが初めての人、WordCampに参加した経験のない人たちがたくさんいて、それぞれのバックグラウンドがあって、とてもいい感じです。各地のWordBenchのオーガナイザーや多様なバックグラウンドを持つ人たちが、有機的に準備を進めています。

成り立ちとしては、WordCamp Tokyo 2017 のコントリビューターデーで、私がメンターを務めていたテーマレビューチームに参加していた、愛媛の大西さんと山口の村上さんへ連絡をしてみて、ご近所のWordBench倉敷の古里さん前川さんを始めとして、高松市内、四国、瀬戸内エリアでWordPress関連で活動されている人たちに声をかけていきました。その後、スタッフの公募や実行委員からの紹介/お誘いに乗ってくれた人たちでチームができていきました。その他、男木島・高松で暮らしている仲間にも声をかけています。

チーム分けはこんな感じ。

チーム分けとしては、この画像のような感じになっています。ここでは、特徴的な班や工夫をしているところを挙げてみます。

hr

Human Resources、つまり人事のことですが、人手が足りない、今手が空いている、などを解決してチームの風通しをよくしたいということで作ったチャンネルです。岡山にこんな会社があってこういう人が興味を持ってくれそうです!みたいな会話もしています。

キッズ係

スタッフの中には子どもがいるメンバーも多く、子どもを連れていけるのかな?という参加希望の方からの問い合わせもあったため、また担当したいと言ってくれた方もいるのでキッズ係が作られました。まだまだ企画中なので、詳細はもう少し待ってほしいですが、家族でも楽しくいられるようなイベントになりそうです。

給食係

男木島にはスーパーやコンビニがなく、200名分の食事を用意するのはとても大変なことです。男木島のカフェ「ダモンテ商会」にご協力いただいてハンドリングをしてもらっています。ちなみに彼らのウェブサイトにはWooCommerceが入っていて、パンやコーヒー豆、お菓子が買えます。それと、WordPressの投稿画面ってなんであんなに使いにくいの?と言って、ブログはMediumに移行してしまいましたw Gutenberg後に戻ってきたりしないかな笑

男木島係

人口が約160人という小さなコミュニティーであり、フェリーや灯台、学校な、地元の自治会などとも会話をするということで、自治会長に入ってもらっています。

オンライン会議

会議はすべて Zoom を利用して、基本録画を残すようにしています。会議の予定やURLなどの情報が、その他の議論に流れてしまったりしないように、このチャンネルが作られました。

オンライン会議の様子。会議の終わりにいつもスクリーンショットを撮るのが僕の趣味です。

リアルキャンプ係

テントやポイズンリムーバー、ビバークシートや投光器というワードが備品リストに載っています。

シングルトラックのメリット

トラックというのは、セッション(人が前にいてプレゼンする感じのあれ)が同時進行で行われるそれぞれの部屋のことですが、今回は男木島にある唯一の小中学校の体育館をお借りするので、トラックはひとつしかありません。シングルトラックについては、メリットを感じています。

シングルトラックのカンファレンスには、起承転結、序破急、ストーリーが生まれます。「まず、導入部でこういう話をして、こう盛り上がって、ここらでこういう話があったら面白くて、最後はこんな感じのセッションでシメて懇親会につなげよう」みたいな一日の流れをすごく意識するのです。セッションは現在公募中で、実行委員会として想定している流れはあるものの、それを裏切るようなおもしろい話を待っています。

次に、全員がその部屋にいるため、コンテキストが共有されるメリットがあります。文脈を共有する参加者同士が会話しやすくなると期待しています。スピーカーとしても、誰かに話しかけるとき、自分の話を聞いてくれていた前提でいられるのは嬉しいのではないでしょうか。

それから、休み時間の価値が高まります。パソコンしまって席を立って、次はどの部屋だっけな?あ、あったあった、どこに座ろうかな、すいません、ここあいてますか?とかそういう時間がぜんぶなくなり、その場で10分はい休憩!と言われるわけです。基本的にすることがない笑。お互いに何か話し合ったり、スポンサーブースを回ったり、なんかワイワイしてたらいいなぁ、と。

デメリットとしては、今回、開会の挨拶やらお昼ごはん(ピクニックできるようにちょっとだけ長めに時間をとる予定)、あいだにはさみたい企画もありますので、セッションは今の仮の時間表で6つ、時間を短くするなどしても、9つが限界、前述のように、カンファレンスには一日の流れがありますし、今回のWordCamp 男木島には明確なコンセプトがあり、それにともなって明確なターゲットが設定されていますので、ここにマッチするような話で、かつ包括的で基礎的な話から最先端の目標となり得るようなケースやライフスタイルで、各分野から一つだけしか選ぶことができないというセッションの狭き門ができてしまいます。一つ一つのセッションには熱量が出るというメリットの一方で、内容はすごくよいのに、枠の問題やターゲットの問題などの理由から、泣く泣く不採用になってしまうセッションがどうしても多くなってしまうのが難点です。

デザイン

今回、僕自身はウェブサイトや印刷物のデザイン、トンマナについては一切口を出しておらず、一番最初に「島が入っているといいなぁ。空が抜けて見えると素敵だなぁ」と発言して以来、あとはすべてのクレイティブのディレクションを額賀さんにお任せして、イラストのオビカさんと制作班チームが作ったサイトや印刷物に喜んでいるだけ、という役割を担っております。

今後も、サイン計画やTシャツ、その他のグッズが揃っていくのですが、どれも楽しみです。

参加人数が少ない

次にあげたい特徴が、参加人数が少ないということです。スタッフ、スピーカー、スポンサーさんをあわせて200名での計画をしています。船での来島やランチ、企画、懇親会、夜のキャンプなどを通して、大部分の人たちと知り合いにはなれる人数ですね。僕が参加したことのあるWordCampの中で一番小規模だと思います。

心配しているのは、チケットが足りなくなってしまうのではということです。実行委員のスタッフが30名ほどいて、スピーカーが7名、スポンサーさんが10名来てくれたら、150枚ほどしかチケットがないことになります。ご家族や子どもたちの分も基本カウントされます。大丈夫かな。。。なにか考えないと。。。

告知の形態についても工夫をしていて、男木島や瀬戸内エリアからの参加者で、初めての人、何かネットでやりたいと野心を持っているけど、WordPressについて聞ける場所がないというような人に一定の数来てほしいわけです。そういう人たちと、すでにWordPressを知っていてシェアするものを持っている人たちとのバランスが重要だと思っています。告知の活動では、チラシ、ポスター、ポストカードを街に設置してもらうことを頑張っています。瀬戸内エリアのコワーキングスペースやカフェ、大学や書店、ゲストハウス、そして高松市などに、掲示や設置をお願いしています。

ポスターやフライヤーがもうすぐお手元に!

バーベキューと夜キャンプ

懇親会には灯台のふもとでのバーベキューを計画しています。大人数のバーベキューということで考えることや準備することが多くて大変ですが、夏の海辺の夕方にバーベキュー、楽しくなると思います。夜キャンプとは、テントをはってキャンプファイヤーでもしながら眠る、というあのキャンプです。おもしろいところとしては、WordCampに初めて接する人に「どこのWordCampでもキャンプがあるものなんだ」と思われない工夫が必要なことです。そういえば、DigitalCubeのCOOであるDanに英語の相談したときに、この夜キャンプに絡めたキャッチコピーを考えてくれました。今のウェブサイトやチラシで使っているのは “Open Source, Open Sky” なのですが、他にもありまして、”Where code wranglers can get their hands dirty” あるいは、 “Where bugs are real bugs” でした。”wrangler”という言葉は、”Theme Wrangler”なども目にする機会がありましたが、ちゃんと調べてみると、牧場などで馬などの世話をする人のことを言うようですので、コードを書く手を、wranglerの字義通りに実際に汚せるということで僕には絶対思いつかないな、と。バグと虫もなるほどですなぁ。

フェリーから始まる

当日は、高松の港からフェリーに乗船して来場します。まだ計画段階ではありますが、フェリー乗り場やチャーター便の中での受付や企画などもありそうです。行き帰りもまたコンテンツということで楽しんでもらえれば。

さて、そんなこんなでちょっとした裏側を紹介してみましたがいかがでしょう?ぜひ足を運んでいただければと思います。チケットの販売開始は5月中旬です。ウェブサイトや各種のSNSアカウントをフォローして、注目していてくださいな!会場でお会いしましょう!

Twitterで盛り上げよう!

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください